考えることができるようになる本ってある?

こんにちは。


第一回目という事で、

私が好きな本を紹介します。


このブログ、趣味のブログですからね。一応。


私の趣味の一つが、

読書

です。


本は素晴らしいですよ。

多方面の考え方を持った方々が書かれたものなので、

共感する部分もあれば、新たに知る側面があったりします。


活字が苦手な方は、こういった楽しみ方ができないので残念だなぁと思います。


いきなり話がぶっ飛びますが、

皆さんは普段自分が生活の中で、何か疑問を持って、それについて考えたことがありますか?

自分がどのようにして生きているか考えたことがありますか?


普段利用している階段の段数はどれくらいか。

電話はなんであんな甲高い嫌な音なのか。

蛇口は何故、ひねると水が出てくるのか。

人は何故、歩くことができるのか。

何故、アメリカの国で使われている言語を英語というのか。

生物とは何か。


哲学的ですなぁ。といったら哲学者に怒られそう。

そんなこと考えても、なんも腹の足しにもなりません。


でも、こういう疑問って、考えるだけでも楽しくありませんか?

誰かと議論できるならもっと楽しくなりませんか?

解決すると、スッキリした上に、頭が良くなる気がするのは気持ち良くありませんか?


私は、

高校生のある時までそんなこと一切考えていませんでした。

ただただ毎日、

ゲームやりたいぃぃ!

とか、

彼女欲しいぞくそー!

とかくらいしか考えてませんでした。

よくいる頭のわるい高校生ですね。


そんな時に出会った本が、

森 博嗣 さん作の推理小説

すべてがFになる

です。



すべてがFになる (講談社文庫)

すべてがFになる (講談社文庫)



漫画化されたり、

アニメ化されたり、

ドラマ化されたり、

ノベルゲームになったり、

いろいろ忙しい作品ですね。

知っている人もそれなりに多いのではないでしょうか?


私が知ったのは、まだ、ドラマもアニメもなかった時で、

高校の司書さんからオススメされて読みました。


衝撃でしたね。

物事を何も考えることが無かった自分に、考える力を与えてくれた作品でした。


自己啓発本みたく、

こーしろあーしろ

という内容ではありません。

推理小説ですからそんなものありません。

作者である、森博嗣さんの考え方が作中の登場人物を通して伝わってくる感じです。


例として、作品の一部分を紹介しましょう。



作中序盤、

コンピューターウィルスについて登場人物たちが解説する場面があります。

主人公の一人である西之園萌絵(名門大学の学生)が、

PCに潜伏したり感染したりするウィルスを、まるで生きているようだ。

と、感想を口に出します。


そこに、

もう一人の主人公 犀川先生(萌絵が通っている大学の先生)は、

それに同意した上で、

じゃあ生きているモノの定義とはなんだと思う?

と口に出します。


萌絵はいくつか定義する条件を出していきます。

・自己増殖する。

・有機物である。

・エネルギー変換能力がある。

と、

成る程。これはたしかに生き物の定義だなぁと思います。


しかし犀川先生は、

その定義だと、起き上がりこぼしも生物と言える。

と言ってしまいます。


最初読んでいて、

はぁ?何言ってんだこいつ?

ってなりましたよ。


でも、そこにはキチンとした理由がありました。

・起き上がりこぼしは木で出来ているから、もちろん有機物だ。

・倒されても、起き上がるエネルギー変換能力がある。


でも自己増殖しないじゃん。

いやいや、

・人の手によって量産されている。生物の中には、他の生物を頼って増殖する個体は他にも沢山いる。

と。


はえー。

そう言われると、納得しそうになりますが、

でも起き上がりこぼしが生物でないのは事実です。

萌絵も納得できないとほおを膨らませます。


犀川先生は、

だから生物の定義は曖昧なんだよ。

と萌絵をさとします。



脳みそがスパンとはたかれた感じがしました。

なんて事だと。

頭の良い人はこんな発想をするのかと。

今まで何も考える事なく生きていた自分が勿体ないように思えてきました。

生物ってなんだろうなんて考えもしませんでした。


以降の内容も、所々で考えさせるお手本のようなものだったり、

えっ、そこをそんな風に考えるの?

と言いたくなるようなセリフが彼らの口からどんどん出てきます。


勿論、

物語の中心となる事件のインパクトも、そのトリックも秀逸です。

ネタバレになるからあまり言いませんけど。

ザックリ言うと、

孤島、密室殺人、不可能犯罪、容疑者多数。

これだけ聞いてワクワクしない推理小説好きな人はいるでしょうか。いやいない。(反語)


1998年に出版された作品ですが、

マッキントッシュとか、OSとか、16進数とか、

IT関係の仕事している人じゃないと知らない単語が出てきます。

単語自体は簡単な用語なので、調べれば理解するのも容易いでしょう。


今流行りのVRも登場します。

くどいようですけど1998年に出版された作品です。

この本が書かれた時代から見て、未来人である我々が読んだら、

えっ、なんでそんな未来の事を当てられるの?

と、少しドキッとしてしまうようなセリフが出てきます。


そういうのもあって、

この作品と続きのシリーズにどハマりしました。


生きる上で、考える力というものはそこまで重要ではありません。

だって、仕事して、お金稼いで、食べて、寝られればそれで良いですから。


でも、考える力があれば、

仕事も効率化できますし、

金ももっと稼ぐ事ができますし、

なにより、知識が深まって理解してモノやサービスが利用できる日々が、楽しく感じます。


この作品は、

考える力や術がなかった我々に、お手本を見せてくれるような作品です。

試しにこの、

すべてがFになる

を読んでみませんか?


何度も何度も読み返している作品ですが、

今レビュー書いてて、もう一回読みたくなりました。

引っ張り出そう。

まぁ、頑張りますよ。